芦之湯温泉鶴鳴館松坂屋本店（５）

朝食は８：００にお願いしました。同じ食事処にて。やはりフロントから案内されます。

カウンターには野菜サラダの大皿が。そしてその横には干物、さらにその横にお粥も。反対側には所狭しと小鉢が並びます

干物はこの場で選んで焼いてもらいますキンメ、エボダイ、アジ、カマス、サバ、サンマからどれか１品。このときはカマス×２、サバ×１、アジ×１というオーダー。

野菜がとにかく大量。プチトマトに挟まれてロマネスコもありました。どうも見た目がグロいような気がして、、、でもカリフラワーの味です。


小鉢はいろいろとありすぎて悩みは深く黒い箱に入れて食卓へと運びます。この段階で自分の食卓に何が並んでいるのか見もせず、食べたいものをどんどんとると…

食卓まで運んで、「あぁっ…こんなにおかずがあった…」と衝撃小鉢をちょっと取り過ぎたような…

取ってきた小鉢その①タコの唐揚げ

取ってきた小鉢その②魚のしょうが醤油炊き

取ってきた小鉢その③子持ち昆布

取ってきた小鉢その④青菜のお浸し

取ってきた小鉢その⑤たらこ×２　　いやはや取り過ぎ、取り過ぎ

サラダもドレッシングが６種類もあって、これまた悩ましい…黒柚子ドレッシングというさっぱり系のを選んで正解でしたこのあとは最初から用意されていたもの。

朝からお刺身ですよ

蒲鉾にわさび漬は定番でしょう。嬉しいですよ、もちろん

ほんのり甘い卵焼き

おぼろ豆腐も美味しい。卓上で作らなくても美味しい豆腐なら、こういう風に出てくるだけで十分。つけタレには海苔が溶いてあったような感じ。ふつーの醤油じゃなかったです。凝っているんですね。

ちょっとした煮物も。

お新香や梅干し（２段重ね、上は小梅、下がふつーの梅干）までは到底食べきれない…というか、ごはんのおかずが他にありすぎて


２人に１つですが自家製と思しきイカの塩辛。塩分が強すぎない、いい塩梅。全部１人で食べちゃったので、睨まれる。

キンメのアラの味噌汁も具が多い。

そしてカマスの干物が登場焼き加減はばっちりこれだけでも十分なおかずでした。

デザートまで食べきると１時間弱。もう９時前だから早く部屋に戻ってお風呂だ、お風呂っチェックアウトは１１：００。でもこのあとの移動がいろいろだったので、１０：００頃に出立。温泉、食事ともにひじょーに満足できた１泊でした

そのあとはバスで移動した上で、定番の乗り物に揺られて大涌谷の黒玉子。気づいたら親が買っていた…

途中で富士山を眺め、


芦ノ湖も縦断し、旧街道の石畳や一里塚を見て、


寄木細工のお土産を、なぜだか一杯買い込んで帰路についたのでした。畑宿って、寄木細工のお店が一杯あるのですね…そしてお店によって作品にいろんな特徴があることを痛感しました…これまた大散財（ただしby親）

芦之湯温泉鶴鳴館松坂屋本店（４）

チェックイン時に夕食の時間を決めます。ウチは１８：３０にお願いしました。するとカードを渡され、時間になったらフロントに来るようにいわれます。行ってみるとそこから食事処へと案内されます。

こんな展示物がある空間に入ります。かつてもこの辺にこういう展示物が置かれていましたが、壁などが完全に改装されていて、まったく違います。

その空間から階段を上がって２Fへ。そこには手前にバーカウンターがあって、その奥に個室ごとに仕切られた食事処。ここはかつて大広間でした。そのときの記憶ははっきりあって、やっぱり階段を上がって行ったよなぁなんて思い出しつつ。

食事処の真ん中にカウンターがあって、料理人の方が働いておられます。そしてカウンターには魚がどど～んと。

この日は目鯛、尾長鯛、シマアジ。これらは盛り合わせてお出しします、ということで、４人だったので魚種を選択することなく、すべてが味わえることに。

ウチが食事をしたのは、個室風のところとは異なり、カウンターが見える、こんな空間。

着席時には、上のような感じ。お品書きにしたがって。

食前酒は、ルバイヤートマスカットベリーＡロゼ。まずはこれで４人で乾杯。するするっと。

先付けは３種。

一番手前が、姫皮雲丹和え。塩雲丹がたっぷりで濃厚。舐めたくなるくらい…というか、それと同等に掬い取って食べましたが。

鮑大船煮。鮑がとってもやわやわちょうどよい味付け。

鴨八幡巻き。鴨肉が味わい深くて美味しい

金目鯛のカルパッチョ。酸味が適度にあって、キンメとあってます。お魚料理が多いんですよね、ホント。

そこにすぐにお造りが運ばれてきます。鰈の薄造りと活甘エビ。鰈は噛めば噛むほどじんわり甘みが。量もしっかりあって、十二分に楽しめます

エビスの生ビールやっほーーー

すぐにお刺身の盛り合わせが登場。「ムツも盛り込みました」とのことで４種の盛り合わせ白身の淡泊なお魚が多かったのですが、１種ごとに食感も異なり、とっても楽しめました。鰈も含めて白身系が多いと、シマアジの脂たっぷり加減が際立つことシマアジをこれほど脂っこく感じたことはなかった。とはいえ４人で分けると量は多いわけじゃないので、その脂っぽさを楽しむ余裕があります

日本酒は地元神奈川のものを含めて種類は多かったです。でも値段はかなり高めかなこのあとは様子を見ながら１品ずつ。

焼き物は、鰆酒塩焼。表面はこんがり。その身はふんわり。塩加減が絶妙で、両親も満足。配膳後に蓋を開けてくれるので、思わずおぉ～～と歓声。付け合わせは黒豆納豆だったかな？甘いヤツです。

煮物は甘鯛蕪蒸し。甘鯛もふわふわ、蕪もふわふわほろりと崩れる甘鯛の身の甘さが際立つ逸品でした。どのお料理も手間暇かかった品といった感じ。値段が高いとこうなるのか、ふむふむ。

お口直しに出たのは塩シャーベット。いやいやアイスクリームじゃないの？ってくらい滑らか確かに間違いなく塩味なんだけど、絶妙の甘みをしっかり感じられるアイス。これ美味しかったなぁ

箱根山麓豚常夜鍋。豚肉と白菜などの野菜を美味しい出汁で炊けば、美味しいに決まっているじゃないですかただ下にある燃料が弱い？少ない？のか、豚肉をちゃんとひっくり返さないと火が消えてしまって、豚肉が煮えません。豚肉が固くならないように、そうしてあるのかどうか、そのあたりは不明。


ポン酢でいただきます。薬味もあって、私は柚子胡椒を適宜入れて味わいました。合いますよ、柚子胡椒。妻はもみじおろしを喜んで入れてました。肉料理はこれだけ。魚好きにはたまらん構成のお料理だと思いました。

海老真丈東寺揚。

東寺揚が何たるかを知らんのですが、表面パリパリ、中はふんわり甘い海老という揚げ物は、がっちりハートを掴んでくれます。海老好きの妻は大喜び

最後は釜飯と赤出汁。


蜆釜飯。肝臓にいいじゃないですか量はお茶碗に軽く１杯分。これなら食べられます。個人的にはちょっとしょっぱいかなと思いましたが、量が少ないので許容範囲でしょう。釜飯として十二分に美味しいです。

デザートはイチゴとイチゴのブラマンジェ。こういうのは好きです。イチゴそのものが意外と甘くて、ふだんはキライなイチゴが美味しく感じました。

食事には２時間以上かかりました。飲みながら食べると長いね…といっても両親は基本的には飲まないから、ウチの夫婦のせいですが

食事を終えた頃には他のお客はすでにおらず。静かな食事処でした。

あとは風呂に入って、さて寝ましょ

芦之湯温泉鶴鳴館松坂屋本店（３）

それでは今度は大浴場を。ここの大浴場はいろんな思い出があるのですが、そんなことはかな～り昔のお話なので、無視して現在の様子を。

東館から若旦那の庵まで戻って、先に進むと階段を一旦下って、そしてまた上がって。

この廊下、まっすぐにすればいいのに…などと思うのですが、そういうわけにはいかず。地表に鎌倉古道があって、そんな文化財を破壊できないという理由で、階段で古道の下を通過するという作りにしてあるのです。

階段を抜けると窓からはまたまた別の中庭。ここも当日は雪景色でした

先端まで歩くと芦刈荘という建物に向かう入り口に到達しますが、ウチのごとき安い部屋に泊まっているものには踏み込めない領域ですので、その手前をお風呂に向けて右折。

男女の暖簾があって、

そこに向かう前に源泉を掛け流していることを示すプレートも。

浴室の外壁が見えて、

脱衣場へ。

成分表を見ながら、お風呂へ


あぁーーー昔と変わらぬ、素朴かつ内湯のみのシンプルなお風呂

でもこれに慣れるとこれほど愛すべき内湯はないでしょっというくらい、温泉を大事に掛け流しているのがわかるイイお湯なんですよ。そして洗い場には、シャワーが２つありますね。これは前に泊まったときにはなかった…。でもよーーーくみてください。シャワーの位置は、等間隔で並ぶカランの間の、変なところに２つだけあるの、わかります？

つまりシャワーはあとからとってつけたようなもので。

きっとシャワーがないという苦情があったのでしょうね。かといって全面改装にも踏み切れず、といった感じなのでしょうか。ここはカランからもシャワーからも源泉が出てきます。洗い場のお湯もいいものを提供しているんです。個人的にはシャワーのない時代に泊まった経験しかなかったので、シャワーがあるだけで、その便利さに驚きました

どぶどぶ流される源泉の音だけを聞きながら、親と一緒に入っても会話は断片的。ひたすら温泉の良さを堪能しつつ、静かに温泉と向き合います

左右の湯船でお湯の投入量を変えているそうで、狭いにも関わらず手前の湯船が温い方。写真奥の広い方が、これだけ広いにも関わらず熱いお湯でした


お湯は透明。部屋の内風呂とは異なりますが、もちろん源泉は同じ。女将さんが夕食時に教えてくれましたが、たくさん人が入るとお湯が酸化して濁るらしいです。部屋の内湯は湯船が狭いから酸化しやすく、だから濁るだけで、透明な方が新鮮で酸化してないお湯のようです。なお源泉槽に最初にわき出したときには美しいエメラルドグリーンだそうです。


夕食後は男女のお風呂が変わりますから～とさんざん説明されたのに、なぜか変わらず？？？夜のお風呂も同じほうを利用して、まだまだお湯は濁らず。

そして翌朝も。やっぱり同じお風呂で、お湯はまたまた濁らず。


お湯の色の変化を楽しみたいという面もあるのですが、変わらず透明なお湯というのは、逆に言えばいつまでたってもひたすら新鮮というわけで、これはもしかするとありがたいお話？でもよくみるとさすがに白い湯の花が湯船のそこにはたくさん落ちていました。濁らずとも成分の濃さははっきり。江戸時代以来の名湯です


さて。そのころ一貫して女性風呂だったほう。撮影は妻です。


ん？なんか湯船が小さいような？

しかも。改めて思ったのですが、こういう配置のお風呂には入った記憶がない。１０年以上前に来たときも、こういう形のお風呂には入ってないぞ。

源泉の投入の仕方は同じようですね。一応熱い方のお湯と温い方のお湯と分かれています。


それは源泉の注入量によってわけているのですね。さすがです。

でもこのときの女湯は狭そうな？私は最初に載せた方のお風呂しか入っていないことが判明。なぜいつも同じ方のお風呂に入っていたのだろう…？

芦之湯温泉鶴鳴館松坂屋本店（２）

東館１Fの一番奥にあり、なおかつお宿では一番安価な部屋。それが曙という部屋です。

２畳ほどの踏み込みがあって、

そして和室。それほど広くはないです。値段を考えると部屋が抜群にいいというわけではないといった感じでしょうか。でも他の部屋はもっともっと高いですから…

そして広縁からは庭が見渡せます。広縁の端には冷蔵庫とかいろいろ。


お茶請けが部屋に置いてあります。で、広縁の反対側には洗面所と、その奥に内風呂

完全お１人様用ではありますが、源泉１００％掛け流しのお湯が、到着時にすでに湯船から溢れておりました一番安くても内湯付という変則的な部屋なのです。

赤い方の蛇口から流れる、かなりの量のお湯。熱ければ水で薄める方法もありますが、外気を利用したり、あるいはお湯の量を調節することで、今回は十二分に対応できました。

でも、この内湯は１度しか利用されなかったようです…というのは、両親は大きな湯船の温泉が好みで、部屋付の小さな内湯にはあまり興味がないからです…勿体ない…

じつは今回の松坂屋の利用は両親を連れて行く温泉旅でした。両親の希望は、近場がいい、そして電車やバスを利用したい（自家用車でうろうろは車酔いするからイヤ）ということで、箱根に決まりました。箱根のお宿には詳しくもないし、それなら水で薄めない自然湧出の、ここ以外には絶対にない温泉を堪能できるようにしようかと、今回は両親を松坂屋本店に招待することにしたというわけです。せっかくだから大奮発…ってことです。それでも一番安い部屋ですけど

というわけで階段の移動がより少ない１Fに両親を、ウチの夫婦は２Fに部屋を取りました。値段は同じくやっぱり一番安い部屋。この上下に重なる２部屋が松坂屋本店では一番安い部屋になっているわけです。それでは階段を

２Fへ。

廊下などは昔のまま。趣があります

部屋は千種。こちらは部屋に入るとそこに冷蔵庫などがあります。

その先に曙と同じ広さの和室。


この部屋の場合は広縁のところと２箇所に窓があるのが開放的です。

庭の左に見えるのは、旧皇室別荘として建てられた部屋。足湯がよく見えます。平屋のリッチな造りなのでしょうね。


広縁の片側にはトイレ。もう方には洗面所、そして奥に、

やっぱり内風呂一応洗い場もあるし、シャンプーなども完備。

蛇口の向きが曙とは異なりますね。

薄く濁った青緑って感じでしょうか。松坂屋のお湯らしい濁り具合です

熱めで掛け流されるお湯。その量はかなりのもの。湯船が大きくないから、１度浸かってお湯が減っても、すぐに一杯になります

窓を開けるにも注意書きを読んでから。

でも②の手順で使うところが腐食していて、左側は開かず右側のみ全開にして、半露天風に。

ウチはそれぞれが何度も利用しました。親にかこつけて、高いお宿に泊まっただけじゃないかっという気もしますが、一応交通費も含めて全額ウチが負担したということで
最後に。２Fでは下に音が響かないように抜き足差し足ならぬ、、、、という感じで歩いたのですが、いつもそういうわけにもいかず。やはりふつーに歩くとわかるというくらい音が響いたようです。松坂屋は昔の建物を改装して利用しているので、上下の物音や廊下の音がかなりはっきり聞こえたりします。音に敏感だと厄介なことになるかもしれません。

芦之湯温泉鶴鳴館松坂屋本店（１）

２０１３年２月。久しぶりに箱根という、温泉＋いろいろと遊べるテーマパーク的観光地に行くことになりました。そんなわけで、とりあえず強羅。

東京駅から踊り子号に乗って小田原、そして箱根湯本から登山電車に揺られて。案外近いもんだと思いました。下調べもなにもないまま駅近くで蕎麦を。

春本というお店で蕎麦の実粥ともりそばのセット、１２００円也を。


最初に蕎麦粥が登場。凍えた体をやさしく温めてくれる、ほっとする味わい。美味しいです


もりそばもしっかりした歯応え。つゆは個人的にはもうちょっと甘い方が好きですが、十分に美味しいおそばを堪能できました。

そのあとはご希望に沿い、箱根ラリック美術館へ。

見学している内に外は雪に。あれ？晴れの予報じゃなかったっけ？？？？

美術館の方は傘の用意に奔走。そんな傘を借りて移動。

バスで小涌園を通過する頃には大粒の雪が舞い落ちる…箱根も上の方は、天候も温度も全然違いますね。車で来なくて良かった

駅伝でも利用する１号線をひたすら上り、東芦之湯バス停にて下車。向かうはこの日のお宿、箱根の温泉の中でも独特の色合いを誇る芦之湯温泉鶴鳴館松坂屋本店。

日帰り入浴をやめてしまったので、泊まらない限り堪能できない自家源泉で、箱根七湯に数えられた名湯です。安藤広重が松坂屋を描いたことでも有名らしい。１０年ぶりくらいでしょうか、泊まるのは。

リニューアルオープン後は、もちろん初めての訪問です。箱根湯本とは１～２度の温度差があるという場所。夏は涼しくていいのですよね、ここ。

ウチにはあまりに高級なお宿。

重厚な入り口。入り口の場所は昔と同じですが、入るとまったく違います。一度右に曲がって、すぐに左へまた曲がってようやくスリッパに履き替えるという、異空間への誘いという雰囲気がたっぷりの玄関周りです。

フロントが激変していて、ただただ呆然。電話で予約して、家の電話番号しか通知していなかったのに、なぜか住所などのデータが書き込まれていました。昔のデータが保存されていたのでしょう。びっくり。

背もたれ…と思って寄っかかると寝てしまうことになるソファ。そんな不思議な場所でお茶をいただき、まずはあったまって。

中庭の雪景色をぼぉ～と眺めて、そのあと部屋へと案内されます。

右側に出ると、昔と変わらぬ石造りの廊下。懐かしいです。

その脇には資料が展示されている空間がありました。改装前もここにあったっけ？もうまったく覚えていないなぁと。

いろいろと歴史的に重要な石碑も建っていたりする、そんなお宿です。江戸時代から続くお宿ゆえの、そんな独特の雰囲気を感じつつ。

あちこち階段が多いのは、昔ながらの建物をリニューアルして使っているがためでしょう。


階段を上がった先には若旦那の庵という空間。朝は７：３０になるとここでコーヒーが飲めます。

でもここから先に行くと行き過ぎ。お宿で一番安い部屋に泊まったため、若旦那の庵の手前を右折して東館という建物へ。

そこの１Fにはこれまた昔ながらの鏡が。ちょっとぶれた写真ですがこの背中側に泊まった部屋があるのですが、そこから先は次回送りということで。